健康寿命まで、あと800週間くらい。
「この時間を、誰かと共有したい」。そう思って、55歳の僕は初めてレンタル彼女を予約した。
そこから眉毛を剃りすぎ、初デートではしゃべりすぎた。水族館では魚より彼女を見て、2回目のデートでは夜景より彼女を見た。そしてついに、東京駅から始まる一日を過ごし、ホテルで朝を迎えるところまで来た。
……どうやら僕は、観光に向いていないらしい。
このページは、僕と「あーちゃん」の体験記を、最初から順番に読めるようにまとめた目次だ。あーちゃんは記事内で使っている呼び名である。結論を先に書いておくと、50代で初めてレンタル彼女を利用してみて、失敗も浮かれもたくさんあった。それでも、一人では生まれなかった時間が確かにあった。
1.予約――人生を上書きする最初の一通
旅行も食事も、一人で十分楽しめる。それでも、どこか物足りなかった。
レンタル彼女というサービスを知り、迷いに迷って送った最初のお誘い。デートが決まった途端、今度は清潔感が気になり始めた。髪を整え、眉毛を手入れし(剃りすぎた)、食生活まで見直した。
まだ会ってもいないのに、僕の日常は少しずつ変わっていった。初めての予約で何を考え、何に迷ったのかを正直に書いている。
2.初デート前編――会ってすぐ舞い上がった
初対面で、いきなり5時間。
予定を決めたのは自分なのに、当日が近づくほど落ち着かない。服を買い、コースを下見し、準備だけは万全にした。
ところが、待ち合わせ場所に現れたあーちゃんを見た瞬間、準備万端のはずの55歳はあっさり舞い上がった。初デート前の緊張がどんなものか、知りたい人には参考になると思う。
3.初デート後編――水族館で起きたこと
ランチでは、僕9:あーちゃん1くらいの勢いでしゃべり続けた。反省する間もなく、次は水族館へ。
会計も日傘も、スマートには決まらない。それでも二人の時間は楽しくて、帰り際には思いがけない言葉をもらった。
4.2回目のデート――今度は彼女の話を聞く
前回の反省を胸に、今度こそ聞き役になると決めた。
カクテルを飲みながらあーちゃんの話に耳を傾け、夜は一緒にクルーズへ。会話が途切れる瞬間もあったが、その沈黙は不思議と嫌ではなかった。
最後には、次の約束につながる一言まで。もちろん僕は、また少し舞い上がった。
5.お泊まり編――東京駅から始まった最高の一日
2回目のデートで交わした約束は、思っていたより早く形になった。今度は、一日をまるごと一緒に過ごすお泊まりデートだ。
東京駅の雑踏で、彼女を探す
待ち合わせは東京駅。人の波の中であーちゃんを見つけたとき、初デートとは違う種類の緊張があった。「久しぶり」と笑う顔を見て、ああ、今日は長い一日になるんだと実感した。
時間を気にしない、という贅沢
これまでのデートは、どこかで終わりの時刻を意識していた。この日は違う。歩いて、食べて、話して、また歩く。急がなくていいというだけで、会話のテンポまで穏やかになった気がする。聞き役を意識していた僕も、自然と自分の話をしていた。
ホテルで過ごす夜と、翌朝の余韻
ホテルにチェックインしたときの、少し照れくさい空気。同じ部屋で他愛もない話をして、気づけば夜が更けていた。そして翌朝、「おはよう」と言い合う。それだけのことが、55年生きてきて驚くほど新鮮だった。
駅で別れたあと、帰りの電車でしばらくぼんやりしていた。楽しかった、の一言では片づけられない余韻が残った。
これからも、書ける範囲で
予約前は、楽しいのか、それとも虚しくなるのかさえ分からなかった。
実際には失敗もするし、浮かれもする。しゃべりすぎて反省し、聞き役に回り、気づけば一緒に朝を迎えていた。振り返ると、どの回にも一人では生まれなかった時間があった。
50代から新しい出会いを考えている人にとって、僕の体験が少しでも参考になればうれしい。次の出来事も、書ける範囲でこのページに追加していくつもりだ。

